【2025年最新】外国人留学生のための日本学生ビザ延長手続きガイド(ステップバイステップ解説)

日本留学

日本で学び続ける留学生にとって、在留資格「留学」の在留期間更新(学生ビザの延長)手続きは避けて通れない重要なプロセスです。特に初めてビザ延長に挑む方は、「何を準備すれば良いの?」「手続きはいつ、どこでやるの?」といった不安でいっぱいでしょう。さらに、日本語での書類作成や入管(出入国在留管理庁)への申請というハードルもあり、在留資格失効のリスクまで頭をよぎってしまうかもしれません。

しかしご安心ください。本ガイドでは、外国人の視点に立って学生ビザ延長の流れをステップバイステップでわかりやすく解説します。必要書類の一覧から、学校の出席率や銀行残高など審査で重要となるポイント、さらには入管に提出する更新申請書の具体的な書き方まで、最新の公式情報に基づき丁寧に紹介します。実用性を最優先に、よくある失敗や不安点にも触れながら、中立・正確な情報を提供していきます。写真や図表も活用し、日本語に不慣れな方でも理解しやすい構成にしました。あなたの学生生活の続きを支える大切なビザを確実に延長できるよう、一緒に準備を進めていきましょう。それでは早速、学生ビザ延長の基本から確認していきます。


第1部: 学生ビザ延長手続きの全体フローと必要書類一覧

まずは、学生ビザ延長(在留期間更新許可申請)の全体的な流れを押さえましょう。ここでは、申請のタイミングから提出先、そしてビザ延長に必要な書類の一覧までを概観します。全体像を把握することで、後の詳細ステップも理解しやすくなります。

1. 在留期間更新手続きの基本フロー

学生ビザ延長のプロセスは大まかに以下のステップに分かれます:

  1. 在留期限の確認と学校への相談: まず現在の在留期限を在留カードで確認します(カード表面の「在留期間満了日」に記載)。ビザの期限が近づいている場合、留学生課や担当窓口に延長手続きの方法を確認しましょう。多くの大学では国際センター等が手続きの案内をしてくれます。万一在留期限を1日でも過ぎると不法滞在となり、退去強制など重大な結果を招くため、期限管理は極めて重要です。
  2. 申請書類の準備: 後述する必要書類をすべて揃えます。申請書(Application for Extension of Period of Stay)は入管庁ウェブサイトからダウンロード可能で、申請人等作成用(学生本人が記入する部分)と所属機関等作成用(学校が記入・発行する部分)に分かれていますic.keio.ac.jp。申請人作成用は自分で記入し、所属機関作成用は通っている学校に依頼して発行してもらいます(大学の国際課で発行申請を行い、サインや学校印が入った用紙を受け取る流れです)。また、在学証明書や成績証明書など学校発行の証明書も事前に請求しておきます。3ヶ月前から手続き準備を開始すると安心です。
  3. 書類の学校チェック(任意): 日本の大学や専門学校では、提出前に国際学生担当が書類不備をチェックしてくれる場合があります。必要に応じて、作成した書類を学校窓口に持参し確認してもらいましょう。「記入ミスがないか」「必要事項が漏れていないか」などを見てもらえると安心です(学校によっては事前提出を義務付けているところもあります)。
  4. 入管窓口へ申請提出: 必要書類が揃ったら、出入国在留管理局(地方出入国在留管理局の本局または支局、出張所など)に出向いて申請します。申請は在留期限日の3ヶ月前から受付しており、遅くとも在留満了日当日までに提出する必要があります。申請先は現在住んでいる地域を管轄する入管です(例:東京在住なら東京出入国在留管理局、関西なら大阪など)。予約は不要で直接窓口に行けば受付してもらえます(2023年以降、一部オンライン申請も可能になっていますが、ここでは窓口提出を前提に説明します)。
  5. 審査と結果通知: 提出後、入管での審査が行われます。通常2~4週間程度で結果が出ますが、繁忙期や内容次第では1ヶ月以上かかることもあります(春の新学期前後は混雑する傾向があり要注意)。結果は、ハガキ(はがき)の郵送で通知されます。自宅に入管からハガキが届いたら中身を確認しましょう。これは「○月○日までに入管へ来庁してください」といった**結果通知書(許可の場合はハガキ自体が引換証)**です。
  6. 新しい在留カードの受け取り: ハガキが届いたら、指定された期限内に再度入管窓口へ行きます。その際、手数料として収入印紙を購入・持参しましょう(2025年4月以降、延長許可手数料は6,000円に改定。オンライン申請の場合は5,500円と若干割引されています)。入管窓口でハガキと収入印紙、パスポート・在留カードを提出すると、新しい在留期限が記載された在留カードが交付されます。これで延長手続き完了です。
  7. 大学への報告(重要): ビザが延長できたら、新しい在留カードのコピーを大学に提出することを忘れないでください。多くの学校では留学生の在留カードを管理しており、延長後の情報提出を求めています。例えば東北大学では、新カードを学生支援係に持参するかオンラインフォームで提出するよう呼びかけています。提出を怠る学生が増えているとのことなので注意しましょう。

以上が基本的なフローです。一見ステップが多いようですが、順を追って準備すれば難しいことはありません。不明点があれば学校や専門家に遠慮なく相談し、早め早めの行動を心がけてください。

【フロー図:学生ビザ延長の流れ(例)】


上図は東北大学が公表している在留期間更新手続きのフローチャート(英語版)です。申請書類の準備から新しい在留カード受取までのプロセスが視覚的に示されています。実際の流れをイメージする参考になります。細かな部分は学校によって異なる場合もありますが、大まかな手順は共通です。

2. 学生ビザ延長の必要書類一覧

次に、具体的に何を準備する必要があるのかを見ていきましょう。必要書類は本人の在籍状況や学校種別によって多少変わることがありますが、基本的な提出書類は以下の通りです。漏れなく揃えられるよう、一つひとつ確認します。

  • (1) 在留期間更新許可申請書(Application for Extension of Period of Stay)ic.keio.ac.jp
    延長手続きの中核となる申請用紙です。A4サイズ数ページの様式で、申請人等作成用(1~2ページ目)と所属機関等作成用(後半部分)に分かれています。入管庁公式サイトからダウンロード可能(PDF/Excel)で、出入国在留管理局の窓口でも入手できます。記入方法については第4部で詳しく説明します。
  • (2) 写真(縦4cm×横3cm)
    最近3ヶ月以内に撮影した証明写真を1枚用意します。カラーで正面向き、無背景、帽子無しといった一般的なパスポート写真の規格を満たすものが必要ですmoj.go.jp。裏面に氏名を書くなど指定がある場合もあります。写真は申請書の所定欄に糊付けして提出します。
  • (3) パスポート(原本)
    有効なパスポート本体を持参し窓口で提示します。提出書類としてはコピーではなく原本の提示が求められる点に注意してください(入管窓口で確認後、すぐ返却されます)。念のため写真ページのコピーも持参しておくとスムーズです。
  • (4) 在留カード(原本)
    現在所持している在留カードも提示します。パスポート同様、その場で確認され返却されますが、両面コピーを取って提出するよう指示されることもあるので、事前にコピーを用意しておくと良いでしょう。
  • (5) 在学証明書
    現在在籍していることを証明する書類です。在籍校の学生課などで発行してもらいます(多くは即日発行の自動機等があります)。新入生でまだ入学前の場合は「入学許可証明書」等で代用します。休学中の場合は在学証明書ではなく休学証明書(在籍証明)を求められることがあります。
  • (6) 成績証明書(または履修科目証明書)
    学業の進捗状況を示す書類です。大学生・専門学校生の場合は直近の成績証明書を、語学学校生の場合は出席率証明を含む成績報告書などを提出します。新入生で成績がまだ無い場合は履修登録科目の証明書等を代わりに出すケースもあります。直前に他の学校に在籍していた場合(例:日本語学校から大学へ進学したばかり)は、前の学校の卒業証明書と成績証明書も追加で必要です。
  • (7) 所属機関等作成用(学校発行の用紙)
    申請書の一部で、学校側が作成する書類です。在籍確認や課程情報等が記載され、大学では教務課や国際課に申請して発行してもらいます。名称は難しいですが、平たく言えば「在籍証明書の詳細版」のようなものです。発行には日数がかかる場合もあるため、早めに依頼しましょう。自分で用紙を学校に持って行く場合や、オンラインシステム経由で学校が直接入管所定フォーマットに入力する場合など、学校の手続き方法に従って取得してください。
  • (8) 経費支弁能力を証明する書類(Financial support documents)
    日本で生活・学業を続けるための資金があることを示す証拠です。具体的には次のようなものが挙げられます:
    • 自分で生活費を賄う場合: 銀行残高証明書(本人名義の預金口座の残高証明)や預金通帳のコピー。一般に、月あたり約8~10万円以上(年額100万円前後)を賄える残高があることが望ましいと言われます。残高証明書は銀行窓口で発行依頼できます(発行手数料が数百円程度かかることも)。海外の銀行証明を使う場合は日本語訳を添付してください。
    • 仕送り・送金がある場合: 送金証明書(過去の送金実績が分かる書類)や送金受領書の写し。
    • 奨学金を受給している場合: 奨学金給付証明書(奨学金の支給額や期間がわかる書類)。日本政府や大学からの奨学金だけでなく、民間財団からの支援金等も含め、公式の証明書を提出します。
    • 家族など別の経費支弁者がいる場合: 経費支弁者の証明書類(後述)。
  • (9) 経費支弁者に関する書類(該当者のみ)
    両親や親族が学費・生活費を負担している場合、その支援意思と支援能力を証明する追加書類が必要です。具体的には:
    • 経費支弁者の収入証明: 課税証明書(総所得が記載されたもの)や源泉徴収票、確定申告書控えのコピー、または預金残高証明書。いずれも直近年度のものを用意します。外国に居住する支弁者の場合、現地の収入証明書類を用意し日本語訳を添付します。
    • 経費支弁書: 支弁者本人が作成する「あなたの学費・生活費は私が負担します」という内容の誓約書です。入管庁サイトで様式が提供されていますが、任意形式でも構いません(氏名・続柄・支援内容・署名を明記)。日本語で簡潔に書き、支弁者本人の署名を入れます。
    • 親族関係を証明する書類: 支弁者が親や親戚の場合、その関係性を示す戸籍謄本や出生証明書、住民票(世帯続柄入り)などを提出します。外国の書類の場合はやはり訳文が必要です。
  • (10) 手数料納付書と収入印紙
    ビザ延長が許可された際に支払う手数料の書類です。申請時点では提出不要ですが、結果受取時に「手数料納付書」に所定額の収入印紙を貼って提出します。2025年4月の法改正で、窓口申請の場合6,000円(収入印紙)、オンライン申請の場合5,500円と定められています。収入印紙は入管内や郵便局で購入可能です。手続き当日に忘れず用意しましょう。

以上が一般的な必要書類です。加えて入管庁が定める書類一覧表・チェックリスト(入管サイトからダウンロードできる様式)がある場合、それも記入・提出します。また、学校種別による追加書類も存在します。たとえば、日本語学校や専門学校生は出席率証明日本語能力証明を求められる場合がありますし、大学院研究生の場合は研究内容証明が必要です。自分の在籍形態に応じて学校から案内された書類があれば漏れなく準備してください。

📝 メモ: 入管は年々、留学生の在留審査を厳格化する傾向にあります。そのため、「念のための書類」も増えがちです。実際に送金証明アルバイト状況の証明(例えばアルバイト先からの在職証明や給与明細、源泉徴収票など)を追加で求められるケースもあります。心当たりがある場合は、そうした資料も準備しておくと良いでしょう。特にアルバイトに関しては後述する注意点も確認してください。


第2部: 出席率・成績の重要性と在留理由書のポイント

ビザ延長審査において、在学中の出席率や学業成績は極めて重要なチェックポイントです。入管は「留学」の在留資格で滞在する以上、しっかり学校に通い、学業に励んでいるかを重視します。ここでは出席・成績に関する注意点と、必要に応じて提出する**在留理由書(延長理由書)**の書き方について解説します。

1. 出席率・成績が審査に与える影響

出席率とは、授業にどれだけ出席したかの割合です。特に日本語学校や専門学校などではこの数値がビザ審査で厳格に見られます。一般に出席率が80%未満だと「授業に出ていない=本来の留学目的を果たしていない」と判断され、延長許可が難しくなるリスクが高まります。実務上、「出席率70%以下ならほぼ不許可」と言われるほどです。もちろん一時的な病欠など正当な理由があれば考慮されますが、それを証明する資料(診断書等)なしに欠席が多いと、入管からは相当厳しい目で見られます。

大学生の場合は、出席率そのものは語学学校ほど厳密に問われないと言われます。ただし成績が著しく悪い(取得単位が極端に少ない、GPAが低すぎる等)場合は、「本当に勉強しているのか?」と疑われます。実際、成績不振やそれに伴う留年を理由にビザ延長が不許可となるケースもあります。大学側が進級や在籍延長を認めていても、入管がビザを更新するとは限らない点に注意が必要です。「学校がOKだから大丈夫」と油断せず、日頃から学業を疎かにしないことが最善の対策です。

審査の厳格化傾向: 法務省入管庁は近年、「留学生が本来の勉学目的を逸脱していないか」を厳しくチェックする方針をとっています。その背景には、一部の留学生が出席率不良・不法就労など問題行動に及ぶ例があるためです。「学校に行かなくなる → アルバイトを増やす → 疲れてさらに学校を休む」という悪循環に陥った末、ビザが更新拒否・取り消しとなる事例も実際に発生しています。アルバイトのしすぎによる週28時間制限違反は法律違反であり、延長不許可どころか在留中でもビザ取消・強制退去となり得ます。そうなれば退学にもなってしまうため、絶対に避けねばなりません。

以上を踏まえ、普段からの心構えが大切です。授業には可能な限り出席し、やむを得ない欠席は学校に連絡するとともに証明(病院の領収書や診断書など)を残しておきましょう。成績も単位取得に努め、万一不合格科目があっても挽回策を講じてください。ビザ更新直前になって慌てても、出席率や成績は直前数ヶ月で劇的に改善できるものではありません。日々の積み重ねがビザの延長可否を左右することを肝に銘じておきましょう。

2. 在留理由書(延長理由書)の役割

**「在留理由書」**とは、在留期間の延長を希望する理由や経緯を本人が文章で説明する書類です。標準的な延長申請では必須ではありませんが、特別な事情がある場合に提出が求められたり、自主的に提出したりすることで審査官への説明材料となります。

どんな場合に必要か?
例えば以下のようなケースでは、在留理由書の提出が強く推奨されます:

  • 出席率や成績が基準に満たない場合: やむを得ない事情で欠席が多かったり成績が低迷した場合、その理由を説明するために提出します。病気・怪我で長期休養した、家族の事情で一時帰国せざるを得なかった、学業で躓いたが今後の改善計画がある等、理由と反省・改善策を明記します。医師の診断書など客観的資料があれば添付します。
  • 留年・休学した場合: 進級できず留年した、あるいは休学期間がある場合も、その経緯と今後の見通しを説明する書面が求められます。特に休学については、学校発行の休学証明書と併せて理由書を出すよう指示されることがあります。
  • 進路変更・予定外の延長の場合: 当初予定より在籍期間が延びる場合(例:研究の遅れで卒業が半年延長になったなど)も、なぜ延長が必要になったかを書きます。この際、指導教員からの推薦状や卒業見込証明などがあれば補強資料として有効です。
  • その他特殊な事情: 家族の看病や経済的理由で一時的に学業に支障が出たが解決した、など特殊事情がある場合、それを説明することで審査官の理解を得やすくします。

書き方のポイント
在留理由書に決まった書式はありません(書式自由)。A4用紙に横書きで、パソコン作成でも手書きでも構いません。以下の点を意識しましょう:

  • 件名と宛名: タイトルに「在留期間更新許可申請理由書」などと記し、文頭に「◯◯入国在留管理局 御中」と宛名を書きます。
  • 本人の情報: 冒頭で自分の氏名(パスポート表記のローマ字とカナ)、国籍、在留カード番号、所属学校と学部学科、現在の在留期限日などを明記します。
  • 延長理由の本文: 箇条書きよりも文章形式で、自分の言葉で状況を説明します。例えば欠席が多かった場合、「私は2024年○月から○月にかけて肺炎を患い入院・療養したため、やむを得ず欠席が増えてしまいました。主治医の診断書を添付いたします。その後体調は回復し、現在は講義に欠かさず出席しております。今学期は成績も向上し、卒業に必要な単位も順調に取得しています。」といった具合です。理由 → 現在の状況改善 → 今後の見込みの順で書くと読み手に安心感を与えます。「引き続き日本で勉学に励みたい」という強い意思も最後に添えましょう。
  • 結びと日付署名: 最後に「以上、何卒よろしくお願い申し上げます。」などで締めくくり、作成年月日と自署(サイン)を入れます。

具体例(在留理由書の一例): 以下に簡単な例を示します。

在留期間更新許可申請理由書

東京出入国在留管理局 御中

私は〇〇大学経済学部に在籍する留学生、マイケル・スミス(MICHAEL SMITH)と申します。在留カード番号:AB1234567。

この度、在留資格「留学」の在留期間更新を申請させていただくにあたり、その理由をご説明いたします。

私の在学中の出席率が直近で80%を下回っておりますのは、2023年11月から12月にかけて肺炎で入院していたことが原因です(診断書添付)。退院後は体調も回復し、以降の授業は欠席せず出席しております。また、入院中に遅れた科目については担当教授のご厚意で追加課題に取り組み、現在では成績も平均以上を維持できております。

〇〇大学での学業は順調に進んでおり、2025年3月には卒業見込みです(卒業見込証明書添付)。卒業まで引き続き日本で勉学に励みたく、本資格の延長を希望しております。今後は体調管理に十分注意し、学業専念する所存です。

つきましては、在留期間「留学」の更新を許可いただけますよう何卒よろしくお願い申し上げます。

2024年○月○日
マイケル・スミス (MICHAEL SMITH)

上記は一例ですが、自分の状況に合わせて適宜内容を作成してください。嘘や誇張は厳禁です。事実と反省、そして今後の計画を率直に書くことが大切です。必要に応じて指導教員や学校職員にも内容をチェックしてもらうと良いでしょう。

提出方法: 理由書は他の申請書類と一緒に窓口で提出します。クリップ留めで申請書の後ろにつけるか、窓口で職員に渡せば適切にホチキス留めしてもらえます。「任意提出」の扱いなので必須ではありませんが、出席率低下などマイナス要素を補足説明できる唯一の機会です。不安材料がある場合は遠慮なく提出しましょう。


第3部: ビザ延長における資金証明(銀行残高と経費支弁)対策

留学生のビザ延長審査では、「日本で生活し学業を続けるための十分な資金があるか」も重要な確認事項です。ここでは、銀行残高の目安資金証明書類の準備方法について詳しく解説します。経費支弁者がいる場合の対応も含め、金銭面でつまずかないためのポイントを押さえましょう。

1. なぜ資金証明が必要なのか?

日本での生活・学業には学費や生活費など多額の費用がかかります。入管はビザ延長申請者に対し、今後も安定して経済的にやっていけるかを確認します。これは留学生が途中で生活困窮に陥り不法就労に走ったり、学業放棄する事態を防ぐ狙いがあります。具体的には、過去から現在にかけての送金状況や口座残高、アルバイト収入や奨学金の有無など総合的に判断されます。

審査官の視点:

  • 学費は今後も支払えるか?(授業料未納で退学の恐れはないか)
  • 家賃や生活費は問題なく賄えているか?(家計が逼迫していないか)
  • アルバイト収入に頼りすぎていないか?(学業より生計優先になっていないか)
  • 支援者(親など)は本当に送金してくれているか?(書類上だけでなく実態はあるか)

こうした点をチェックするため、お金に関する書類を要求しているのです。特に近年は、留学生が十分な資金を持たず来日しアルバイトで生活費を稼ぐケースが問題視されたことから、資金面の審査が強化されています。裏を返せば、きちんと資金計画が立てられていれば心配する必要はありません。必要書類を整え、論理的に証明することでクリアできます。

2. 銀行残高証明書の取得と活用

銀行残高証明書は、あなた(または支援者)の預金口座に現在いくらの残高があるかを公式に証明する書類です。一般にビザ申請では、最低でも半年~1年分の生活費に相当する残高があることが望ましいとされます。具体的な金額は明示されていませんが、例えば都心部での1年生活費(家賃・食費等)+学費を合わせると150~200万円程度になることが多いでしょう。預金残高がその程度あれば安心材料になります。もちろん多いに越したことはありませんが、極端に少ない(数十万円以下など)場合は要注意です。

残高証明書の取得方法:

  • 日本の銀行の場合: 口座を持つ銀行の窓口で「残高証明書を発行してください」と申し出ます。用紙に必要事項を記入し手数料(500円前後が一般的)を支払うと、当日~数日で発行されます。英文証明が必要な場合はその旨伝えます。証明書には発行日時点の口座残高が記載されます。発行から時間が経つと鮮度が落ちますので、**申請直前(提出3ヶ月以内)**の新しいものを用意しましょう。
  • 海外の銀行の場合: 母国の銀行口座の証明を使うことも可能です。この場合、そのままでは書類が外国語なので、日本語訳を付ける必要があります。翻訳は自分で行っても構いませんが、正確に。残高の通貨単位も明記し、円換算の参考をメモしても良いでしょう。
  • オンラインバンキング: ネット銀行等では残高証明発行に時間がかかるケースがあります。余裕を持って依頼しましょう。間に合わなければ残高画面のスクリーンショットに銀行印をもらったものなどでも代替できる可能性がありますが、基本は公式証明が望ましいです。

残高証明書提出時のポイント:

  • オリジナルを提出: 入管では通常、残高証明の原本提出を求めます。コピーではなく、銀行発行の原本を出しましょう。
  • 通帳コピーの併用: 残高証明は一時点の額しか示しません。審査官によっては「最近急に大金が振り込まれていないか」など資金の流れも見たがるので、預金通帳の全ページコピーを添付すると親切です。毎月一定額が入金されている(仕送り等)ことが示せれば説得力が増します。
  • 残高不足を補う工夫: もし残高が十分でない場合、奨学金証明や送金証明で補完しましょう。例えば「残高50万円だが毎月仕送り10万円を受けている」場合、その仕送りが継続する証拠(送金証明書や支弁者の誓約書)を強調します。または直近で学費を支払ったため一時的に残高が減っているなら、その領収証を添えるのも一法です。

3. 経費支弁者からのサポートを証明する

親や親戚など第三者があなたの留学費用を負担している場合、それを示す書類も忘れずに提出します。経費支弁者とは、あなたの代わりに経済的責任を負ってくれる人です。一般的には両親が該当するでしょう。

提出すべき書類(おさらい)

  • 支弁者の収入証明(課税証明書・所得証明書・銀行残高証明など)
  • 支弁者の経費支弁書(負担承諾書)
  • 支弁者と本人の関係証明(戸籍や出生証明等)

例えば中国からの留学生で父親が学費送金をしている場合、**「父親の収入証明+父親の経費支弁書+父子関係を示す公証書」**という組み合わせになります。証明書の類はすべて最新年度のものを用意してください。

経費支弁書(Letter of Financial Support)のポイント:
経費支弁書は支弁者本人が書く文書です。日本語が望ましいですが難しければ英語でも構いません(和訳添付が望ましい)。形式は自由ですが、以下の内容を含めると良いでしょう。

  • 留学生本人の氏名・生年月日・国籍
  • 支弁者との関係(例:「父親」「叔父」など)
  • 支弁者本人の氏名・住所・連絡先
  • どの費用をどの程度負担するか: 「大学在学中の学費および生活費として毎月◯万円相当を送金する」「年間◯◯円を上限に必要な費用を負担する」など具体的に記載
  • 支弁期間: 「〇〇年〇月から卒業予定の〇〇年〇月まで」など明示
  • 日付と支弁者の署名(サイン)

支弁者が日本在住であれば自署(署名)の横に印鑑(認印程度でOK)を押してもらうとより正式です。英文の場合はサインのみで問題ありません。

注意: 入管は書類偽装を警戒しています。例えば支弁者が実は無職なのに収入証明を偽造したり、友人なのに「叔父」と偽ったりという不正がないか目を光らせています。提出書類に矛盾がないよう、関係証明と収入状況が一致しているか確認してください。万一疑念を持たれると追加資料の要求や審査長期化の原因になります。

4. アルバイト収入と納税証明

日本でアルバイトをして得た収入も生活費の一助になっているでしょう。入管も適法な範囲のアルバイトであれば認めています。ただし、それに頼りすぎるのは本末転倒です。基本スタンスとしては、「学業のかたわら週28時間以内のアルバイト収入は副収入としてOK。しかし生活の本柱は送金や貯金であり、アルバイトありきで成り立っている状況は望ましくない」と考えてください。

アルバイト収入を証明する場合:

  • 給与明細や源泉徴収票: 直近のアルバイト先からの給与明細や、年末に受け取る源泉徴収票を用意します。特に源泉徴収票には年間収入額が記載されるため、有用な証明資料です。
  • 納税証明書: 留学生でもアルバイト収入が一定以上あれば住民税など納税義務が発生しています。自治体で取得できる課税・納税証明書により、前年度の所得額と納税額を示すことができます。これも財政状況の裏付けとなります。

提出タイミング: アルバイト関連書類は必ずしも全員に求められるわけではありません。しかし、例えば学費・送金が少なくアルバイトが主な収入源と思われる場合や、入管側が不審を抱いた場合に提出を求められることがあります。あらかじめ手元に準備しておくと安心です。

28時間ルール遵守のアピール:
アルバイトについて言及する際は、「資格外活動許可の範囲内(週28時間以内)で行っている」ことを明確にしましょう。必要なら勤務先から「彼/彼女は当店で週○時間勤務しています」という在職証明書を書いてもらう手もあります。入管は留学生のオーバーワークを非常に嫌いますので、「ルールを守って働いている」という姿勢を示すことが大切です。もし過去に28時間を超えて働いてしまったことがあるなら、専門家への相談も検討しましょう。悪質な場合は延長不許可どころか在留中でもビザ取り消しの対象となり得るため、絶対に違反しないよう注意してください。

5. 奨学金受給者の場合

奨学金を受給している留学生は、その奨学金が今後も継続することを示せれば資金面の心配はかなり減ります。例えば日本政府(文科省)の国費奨学金留学生や、大学独自の授業料減免・給付奨学金を受けている場合、その証明書を提出しましょう。

奨学金証明書:
発行元(大学の学生課や奨学財団など)に依頼して奨学金受給証明書を作成してもらいます。内容としては「◯◯奨学金 月額◯万円を◯年間給付」といった事項が書かれています。この証明があれば、「毎月定期収入がある」と判断され信頼度が上がります。

奨学金額が生活費全てを賄うほどでない場合でも、「○万円分は安定収入、残りは自己資金で補填」という図式を示せます。複数の奨学金を受けていれば全て記載された証明書を用意しましょう。

要点: 資金証明で大事なのは、「今後も勉学を継続できる経済基盤があります」と納得してもらうことです。銀行残高、仕送り、奨学金、アルバイト収入、それぞれ単体では不足でも、組み合わせて総合的に説明することが肝心です。提出書類に矛盾や不明点がないかよく確認し、不安であれば学校の担当者に相談してみてください。


第4部: 入管提出書類の具体的な書き方【更新申請書の記入例付き】

学生ビザ延長申請の成否を分けるもう一つのポイントが、入管提出書類の正確な記入です。中でも在留期間更新許可申請書(通称:更新申請書)は情報量が多く、日本語で細かく書く欄もあるため、慎重に書きましょう。ここでは更新申請書の主要な項目について、具体例を挙げながら記入方法を解説します。また、学校が作成する部分やその他提出書類の書き方も補足します。

1. 在留期間更新許可申請書とは

在留期間更新許可申請書(Application for Extension of Period of Stay)は、法務省入管庁が定める公式の申請用紙です。留学生ビザ用には**「留学」用のフォーマットがあります。様式は日本語と英語の併記になっており、記入すべき項目が番号で指定されています。主に1ページ目〜2ページ目が本人記入欄**(申請人等作成用)、後半ページが所属機関記入欄(学校等作成用)です。

用紙には細かな注意書きも多くありますが、一つずつ確認しながら埋めれば難しくありません。以下、主要な項目を順に説明します。

2. 申請人等作成用(本人記入欄)の書き方

まず、自分で記入する部分(申請人等作成用)です。これは主に個人情報や現在の在留情報、延長希望理由などを記載する欄です。

  • [1] 国籍・地域(Nationality/Region)
    パスポートに記載されている国籍をそのまま書きます。地域は通常空欄で構いませんが、例えば「香港」「台湾」など地域として扱われる場合は記入します。漢字や自国語ではなく必ず英字表記で書きましょう。例:中国CHINA韓国KOREA
  • [2] 生年月日(Date of birth)
    西暦でYYYY年MM月DD日の順に、数字を半角で記入します。日付はパスポート記載どおりにします。例:1999年7月15日生まれ → 1999 年 07 月 15 日
  • [3] 氏名(Name)
    パスポートの記載どおりローマ字で姓・名を書きます。ミドルネームがあれば含めます。注意点は、漢字や母国語は併記しないことです(ローマ字表記が原則)。姓と名の順序もパスポートにならってください。「姓, 名」のようにカンマで区切るか、欄が分かれていればそれぞれ記入します。
  • [4] 性別(Sex)
    男性は「男」に○、女性は「女」に○を付けます。Male/Female の表記もありますが、和文の○をするだけでOKです。
  • [5] 配偶者の有無(Marital status)
    結婚している場合は「有」に○、独身なら「無」に○をします。例えば未婚の場合:「有・無」の「無」に○を付けます。
  • [6] 職業(Occupation)
    現在の身分を記入します。留学生の場合、通常「学生」と書きます。大学生・院生・専門学校生・語学学校生などすべて「学生」で問題ありません。
  • [7] 本国における居住地(Home town/city)
    母国の現在の住所(実家の住所など)を書きます。英語で都市名まで記入するよう指示があるので、Country, Cityの形式で書くと良いでしょう。例:中国 吉林省長春市と日本語で書かず、**CHINA, Changchun City, Jilin**のように英語で記載します(県・市まででOK)。
  • [8] 住居地(Address in Japan)
    現在日本で住んでいる住所を記入します。アパート名や部屋番号まで省略せず書きます。ここは日本語(漢字かな)で書いて構いません。郵便番号や都道府県名も含めましょう。例:〒169-0051 東京都新宿区西早稲田1-1-1 早稲田マンション101号室。長い場合は2行に渡ってもOKです。
  • [9] 電話番号(Telephone No.)
    自宅または携帯電話の番号を記載します。携帯が主なら携帯番号欄に書けば十分です。日本国内での連絡先を書きましょう。例:090-1234-5678。市外局番等を含めハイフンで区切ります。
  • [10] 旅券番号・有効期限(Passport Number / Date of expiration)
    パスポートの番号と有効期限をそのまま写します。番号はローマ字と数字の組み合わせ(例:TN123456)。有効期限は日付を西暦で(例:2027 年 08 月 30 日)と記入します。日・月はそれぞれ数字2桁に合わせます。有効なパスポートを持っている場合は必須項目です。
  • [11] 現に有する在留資格・在留期間・満了日
    今持っている在留資格(Status of residence)と在留期間の長さ、その満了日を記入します。具体的には:
    • 在留資格: **「留学」**と記入。
    • 在留期間: 例えば現在「1年3月」のビザなら「1年3月」あるいは「15ヶ月」と書きます。迷ったら在留カード記載どおり「1年3月」としておけばOKです。
    • 満了日: 在留カードに書かれた期限日を西暦で。例:2024年10月30日満了なら2024 年 10 月 30 日
  • [12] 在留カード番号
    お手持ちの在留カード表面にある番号(アルファベット2文字+数字8桁程度)を記入します。例:在留カード右上にAB12345678とあればそのまま書き写します。
  • [13] 希望する在留期間(Desired length of extension)
    延長を希望する期間を記入します。入管の審査結果によっては希望通りにならない場合もある旨の注意書きがあります。ここは通常、**「◯年◯月」**と書きます。例えば「2年間の延長を希望」であれば「2年0月」、1年3ヶ月希望なら「1年3月」と記入します。特に希望がなければ在籍予定に合わせて1年や2年とするのが一般的です(大学生なら卒業まで足りる期間)。なお、この欄は希望を書くところであり、必ずしもその通りの期間がもらえるとは限りません
  • [14] 更新の理由(Reason for extension)
    今回延長を申請する理由を自由記述する欄です。日本語で簡潔に書くのが通常です。例えば「〇〇大学で勉学を続けるため(2025年3月卒業予定)」といった内容を書きます。在籍中で標準修業年限内の延長であれば、「現在の学業を継続するため」とだけでも十分です。進学予定で延長する場合は「〇〇大学大学院に進学予定のため」など具体的に記します。記入例早稲田大学で勉学を続けるため(2025年3月卒業予定)
    ポイント: 在留理由書ほど詳細に書く必要はありませんが、一言で明確に書きましょう。また、漢字かな混じりの日本語で記入するのが無難です(英語で書いても通じますが審査官が日本語訳を書く手間が増えるため、日本語のほうが親切です)。
  • [15] 犯罪による処分を受けたことの有無(Criminal record Y/N)
    過去に犯罪を犯して処罰された経験があるかを問う欄です(交通違反を含むと注意書きあり)。該当する場合は「有」を選び、具体的内容(例:「駐車違反で反則金支払」など)を余白に書きます。何もなければ「無」に○します。
  • [16] 在日親族・同居者の有無
    日本に家族親族や一緒に住んでいる人がいるかを尋ねています。いる場合は「有」に○をし、続柄・氏名・生年月日・国籍・同居の有無・勤務先/学校・在留カード番号等をこの下の枠内に細かく記入します。配偶者や子供が日本にいる場合などは漏れなく書いてください。一緒に暮らしていなくても、日本国内に親族(親や兄弟)がいるなら記入対象です。「無」に○の場合はこの下の詳細欄は記入不要です。
    記入例(有の場合): 続柄:友人、氏名:○○ △△、生年月日:1994年5月10日、国籍:ベトナム、同居:、勤務先:東京福祉大学、在留カード番号:ERXXXXXX。友人でも日本に住んでいて密接な関係なら記載対象になりえます。ただし通常は家族中心でよいでしょう。

以上で申請人作成用1ページ目の主要項目は埋まりました。細かい注意として、用紙下部に「申請書に事実と異なる記載をしたことが判明した場合には不利益な扱いを受けることがあります」とあります。虚偽記載は絶対にしないでください。次に、2ページ目以降の本人記入欄を見てみます(学校変更等の場合に記入欄があります)。

  • [17] 通学先(Place of study)
    現在通っている学校名、住所、電話番号を記入します。正式名称を省略せず書きましょう。住所・電話は学校のものです。学校種別によりますが、例:東京福祉大学 〒170-8426 東京都豊島区東池袋○-○-○ 03-5960-7011。自分の在籍校情報を正確に転記してください。
  • [18] 修学年数(Total period of education)
    小学校から現在までの累計修学年数を記入します。例として、「小学校6年+中学校3年+高校3年+大学(在学中)2年目」なら合計「14年」となります。半端な月は切り上げず年のみでOKです。転学や進学で延長する場合のみ記入、と注意がありますが、通常の延長でも記入して問題ありません。
  • [19] 最終学歴または在学中の学校(Education background)
    (1)在籍状況:自分が今どの状態かにチェックします。大学在学中なら「在学中」にチェック、もし卒業した直後で延長するなら「卒業」にチェック、など。大抵は「在学中」でしょう。
    (2)学校種別:自分が属する教育機関の種類にチェックします。大学学部生なら「大学」にチェック、大学院生なら「大学院(修士/博士)」、専門学校生なら「専門学校」、日本語学校生なら「その他」に「日本語学校」と記入します。
    (3)学校名および卒業年月/卒業見込年月:最終学歴の場合はその学校名と卒業年月日、在学中の学校なら現在通っている学校名と卒業見込年月を書きます。例:東京福祉大学 (卒業見込)2025年3月のように。
  • [20] 日本語能力に関する記載
    これは専修学校や各種学校で日本語以外の教育を受ける場合のみ記入と注記されています。大学生・日本語学校生は基本記入不要です。例えば日本語学校を経て専門学校に進学した場合、その時の日本語能力試験合格級や日本語教育受講歴を書く欄になります。通常の延長では関係ないため空欄で構いません。
  • [21] 日本語学習歴
    こちらも高校入学者向けの欄で、大学生以上には不要です。空欄で問題ありません。
  • [22] 滞在費の支弁方法等
    あなたの日本での生活費・学費等の**支弁方法(どうやって賄っているか)**を記入します。これは非常に重要な欄で、複数選択可となっています。具体的には:
    • (1)支弁方法および月平均支弁額:
      • 本人負担(Self)にチェックを入れ、その場合月あたりどれくらい自分の資金から出しているか円金額を書く。アルバイト収入など自活部分があるならここに含めます。
      • 在外経費支弁者負担(Supporter living abroad): 国外にいる親族等から仕送りを受けている場合チェックし、月平均額を書く。
      • 在日経費支弁者負担(Supporter in Japan): 日本国内に支援者がいる場合チェック、月額を書く。
      • 奨学金(Scholarship): 奨学金を受けている場合チェックし、月額を書く。
      • その他: 上記以外の収入源があれば(例:母国からのローンなど)チェックし、月額を書く。
        典型的な留学生は「本人負担(アルバイト収入等)+在外支弁者(親の仕送り)」の組み合わせでしょう。例えばアルバイト月5万円と仕送り月10万円なら、それぞれにチェックして50,000円と100,000円と書きます。記入例■本人負担 50,000円 ■在外経費支弁者負担 100,000円。奨学金が月3万円あればそれもチェックして30,000円と加えます。
    • (2)送金・携行等の別:
      • 外国からの携行(Carrying from abroad): 来日時に持参した現金等がある場合金額を書く。
      • 外国からの送金(Remittances from abroad): 仕送りの送金ならその年間総額を書く。月平均10万なら年120万なので1,200,000円/年のように。
      • 携行者(Name of individual carrying cash)/携行時期: 第三者に資金を持ち込んでもらった場合等に記入。
      • その他: 例えば母国のクレジットカードで引き出している等あれば記入します。
        記入例:留学生本人が来日時に現金50万円を持参し、その後毎年親から120万円送金を受けている場合、■外国からの携行 500,000円 ■外国からの送金 1,200,000円/年とします。
    • (3)経費支弁者: 複数いる場合全て記載とあります。主な支弁者について氏名・住所・電話番号・職業・年収を記入します。例えば支弁者が父親なら、その名前と住所(国外の場合英語で)、職業(会社員等)、電話番号、前年年収(例えば5,000,000円)などです。複数いるなら全員書ききれないので別紙にまとめて添付も可能です。
      記入例
①氏名: ○○○(NAME TAROU)  
②住所: 本国の住所 ○○市○○ 電話番号: 00-○○○○-○○○○
③職業(勤務先の名称): 会社員(○○商事)
④年収: 5,000,000円(日本円換算)

上記のように父親の情報を記載します。日本円に換算するのがポイントです。

この22番の項目はあなたの家計状態を示す核心部分です。嘘偽りなく、しかし可能な限り良い印象になるように(過度に貧しく見えないように)書きましょう。例えば「その他」欄に奨学金があるなら忘れずチェックするとか、年収は手取りではなく総支給額を書くなど工夫できます。

  • [23] 今後の予定(Plan after graduation)
    これは卒業後の進路を問う欄で、「卒業後も日本に残るつもりか、帰国するか」等を尋ねるものです。具体的には、
    • 希望する在留資格への変更予定(就職して「技術・人文知識・国際業務」ビザに変える等)の有無、
    • 帰国予定かどうか、
    • 日本での就職内定がある場合その企業名 等。
      卒業がまだ先で進路未定なら、特に記入は要りません(該当なしとしておけばよい)。ただ卒業が迫っている人が延長する場合は、「就職活動を継続予定」など書く欄になります。通常の在学延長なら空欄でも問題ありません。
  • 申請人署名(Signature of Applicant)
    用紙の一番下に申請人の署名と日付欄があります。ここは本人が自筆サインします。日本語署名でもサインでも構いませんが、パスポートと同じ署名が無難です。日付は申請書を書いた日付を入れます。代理人に書いてもらった場合でも必ず本人が署名してください(署名できない場合、法定代理人が署名できますが留学生なら自分でしましょう)。

以上が本人記入欄の主なポイントです。記入例付き見本を参考に、漏れなく書いてください。不明点があれば学校職員に尋ねたり、入管の出している記入例(大学が配布している場合があります)を見ましょう。例えば早稲田大学や名古屋産業大学が公表している記入例では、「更新の理由: 早稲田大学で勉強を続けるため(20XX年X月卒業予定)」といった具体的な書き方が示されています。

【記入例: 在留期間更新許可申請書(留学)フォーム】

上図は「留学」ビザ用の在留期間更新許可申請書(申請人等作成用)の一部記入例です。赤字で書かれた部分が記入のポイントを示しています。例えば14番「更新の理由」欄に「東京福祉大学で、学業を継続するため」と具体的に書かれているのが分かります。自分で記入する際も、こうした例を参考に項目ごと正しく書き込みましょう。

3. 所属機関等作成用(学校記入欄)の扱い

申請書後半の所属機関等作成用は、学校側で記入・作成する部分です。これは基本的に学生本人は手を触れません。大学や専門学校の場合、事務局が学生からの依頼を受け、在籍状況や成績等を所定欄に記入し公印を押して発行します。必要事項としては在籍証明や出席率、指導教員名などが含まれます。

取得方法:
学校によって異なりますが、大学なら「在留期間更新用の所属機関証明をお願いします」と国際課に申し出れば対応してくれます。Keio(慶應)大学ではオンラインシステム「K-Support」で申請すると発行される仕組みです。京都大学では学内システムKUIESMで手続きするよう指示されています。とにかく自分だけでは完結しないので、延長を考えたら早めに学校に相談しましょう。発行まで数日〜1週間程度かかる場合もあります。

注意: 所属機関用紙は入管提出直前に取得するのが理想です。あまり早く取りすぎてその後状況が変わると内容が実情とズレます(例:履修科目や在籍状態の変更など)。多くの場合、有効期間(発行から◯ヶ月以内など)は明記されていませんが、最新の情報を反映したものを出す方が良いでしょう。

自分で記入しないので詳細説明は省きますが、一応どんなことが書かれるか把握しておくと安心です。例えば:

  • 在籍確認:在籍種別(正規課程か聴講生か等)、入学年月日、学部学科名、学年など。
  • 修了予定時期:卒業見込み年月。
  • 出席状況や成績要約:語学学校等では出席率○%と記載されます。大学では成績が悪い場合はその旨コメントが入ることも。
  • 指導教員意見:必要に応じて指導教員が「引き続き在学の必要あり」と推薦してくれる欄もあります。
  • 学校の連絡先と署名押印。

これらは学校任せになりますので、事前に自分の状況を洗い直し、不利な点があれば学校に相談してフォローのコメントを書いてもらうことも検討してください。例えば「成績が不振だったが現在改善傾向」等、学校発信の情報は審査官への説得力が大きいです。

4. その他書類の書き方

申請書以外にも提出書類があります。それらの記入について簡単に触れておきます:

  • 在学証明書・成績証明書: これは学校発行の原本をそのまま出すだけなので、自分で書くことはありません。申請直前に取得しましょう。
  • 残高証明書・送金証明: これも銀行等の発行物をそのまま提出します。翻訳が必要なものは直訳し、余計な意見等書かないこと。
  • 経費支弁書: 前項で触れたとおりですが、日本語で書く場合は「経費支弁書」というタイトルにし、「私〇〇は〇〇(あなた)さんの学費・生活費を支弁します」等の文章を箇条書きでも書いて、支弁者本人の署名捺印を忘れずに。
  • 理由書: 第2部で詳述した内容を参考にしてください。こちらも本人署名が必要です。
  • 写真貼付: 申請書1ページ目の所定欄に証明写真を貼ります。裏に名前を書き、糊でしっかり貼付しましょう。ホチキスやテープは不可です。
  • 手数料納付書: これは結果受領時に使う書類ですが、用紙は入管で入手できます。氏名などを書き、収入印紙を貼付します。申請時には提出しないでください。

最後に、提出前の最終チェックとして:

  • すべての欄を書いたか。特に署名と日付欄の記入忘れは多いので注意。
  • 消せるボールペンは不可。必ず消えないペンで記入。
  • 修正液の使用は避け、ミスしたら用紙を最初から書き直すのが望ましい。
  • 必要書類が一通り揃っているか整理。クリアファイル等にまとめ、すぐ取り出せるように。
  • 学校の証明類やパスポートのコピーなど、自分用の控えも取っておく。提出後手元に何も残らないと不安ですので、コピーをファイルしておくと良いでしょう。

以上が書類作成の具体的なガイドです。正確さと誠実さが何より重要ですので、不明点は自己判断せず周囲に助けを求めつつ完成させてください。


第5部: 更新期限の確認・適切なタイミングとよくあるつまずきポイント

最後に、更新手続きのタイミング留学生が陥りやすいミスについてまとめます。いくら書類を揃えても、タイミングを誤ったり基本的な点でつまずくと台無しです。不安や疑問を解消し、万全の状態で申請に臨みましょう。

1. 在留期限の確認と延長申請のタイミング

在留期限日は絶対に見落とさないようにしましょう。期限は在留カード表面に「在留期限〇年〇月〇日」と刻印されています。ここで勘違いしやすいのは、「〇月〇日まで」とはその日付当日まで有効という意味です。例えば「2025年7月30日まで」と書かれていれば、7月30日までは在留資格が有効で、7月31日になると不法滞在になります。

延長申請はいつから可能?
在留期限の3ヶ月前の同日から申請可能です。例えば7月30日が期限なら、4月30日から受付開始となります(厳密に3ヶ月前の日)。早めに申請しすぎても受理してもらえないので注意しましょう。もっとも、3ヶ月前きっかりに行う必要はなく、多くの場合1~2ヶ月前までに申請すれば十分間に合います。

おすすめの時期:
入管は年度末・年度始め(2~4月)や長期休暇後(9~10月)に混雑する傾向があります。もしあなたの期限がその時期に重なるなら、更に余裕を持って手続きすると良いです。待ち時間対策として、午前の早い時間や週中日を狙うと比較的空いているという経験談もあります。オンライン申請も普及しつつありますが、2025年現在ではマイナンバーカード保持者が対象であり、不安があるなら窓口に直接行く方が確実でしょう。

延長しないといけないケース:

  • 進学や進級で在留期限を超えて在日する: 例)学部から大学院に上がる際、今のビザが途中で切れる→更新が必要。
  • 卒業が延期になった: 4年で卒業できず5年目に突入→延長が必要(追加書類求められることあり)。
  • 就職活動のため: 卒業後も就活継続する場合、特例的に「特定活動」ビザへ変更申請する場合もありますが、在学中に延長するパターンもあります。
  • 単に在留期限が来た: 語学留学などで1年ビザだったがもう1年勉強したい→更新必要。

延長が不要なケース:

  • 帰国する前提で在留期限内に卒業・修了する場合は延長不要です。卒業後すぐ帰国するならそのまま在留期間満了で出国します。
  • 次のステータスに切り替える場合(例:就職が決まり「技術・人文知識・国際業務」に在留資格変更)は延長でなく資格変更の手続きになります。延長申請と変更申請は別物なので、進路によって間違えないようにしてください。

在留カードの更新と混同しない:
在留カード自体にも有効期限があります(永住者や16歳未満等でカード更新が必要なケース)。しかし留学生の場合、カード期限=ビザ期限なので特に区別はありません。ビザ延長が承認されれば自動的にカードも更新され新しい在留期限が印字されます。

2. 留学生がつまずきやすいポイントと対策

(a) 書類不備・記入ミス:
もっとも多い失敗は書類の不備です。必要書類が一つ足りない、写真を貼り忘れた、申請書に記入漏れがある等、基本的なミスで申請を受理してもらえないケースがあります。対策はシンプルで、このガイドに沿って事前チェックすることと、学校の国際課で事前確認してもらうことです。特に記入が難しい更新申請書は、書き終えたら誰かに見直してもらいましょう。「自分では完璧と思っていても抜けがある」ものです。提出前夜にもう一度、出入国在留管理庁の公表している必要書類リストと照合するのも有効です。

(b) 申請のタイミング遅れ:
期限ギリギリ、あるいはうっかり期限を過ぎてしまう例もあります。不法滞在になれば即退去命令のリスクがあり、進学や就職どころではなくなってしまいます。それを避けるには、スマホのカレンダーに期限3ヶ月前通知を設定する、指導教員や友人にもリマインドしてもらう等、自分にプレッシャーをかけておくと良いでしょう。仮に延長申請中に期限日が過ぎても、審査中は合法的に滞在可能です(いわゆる特例滞在許可が与えられる)が、申請自体を出していなければアウトです。必ず期限日までに申請を済ませてください。

(c) 入管での対応:
いざ入管窓口へ行った際、緊張でうまく喋れず困ることがあります。提出窓口では基本的に書類を渡すだけですが、係員から質問されることもあります。例えば「今日はどうしましたか?」→「在留期間の更新申請に来ました」と答える、日本語に自信がなければ英語でもOKです。必要書類をチェックされて不足があれば指摘されます。その場で「本日は受理できません、◯◯を用意して出直してください」となると時間ロスです。そうならないためにも事前準備を完璧に。もし指摘事項が軽微(写真サイズ違い等)なら、入管庁舎内の証明写真機やコンビニで対応可能な場合もあります。落ち着いて対処しましょう。

(d) 日本語の壁:
書類が日本語だらけで理解が追いつかない—これも留学生あるあるです。しかし昨今、主要な大学では英語での案内資料も整っていますし、入管公式サイトも英語情報が充実しています。遠慮なく英語資料を活用しましょう。どうしても不安なら、日本人の友人や学校スタッフに付き添ってもらうのも手です。入管では本人以外の同伴も可能なので、心配ならお願いすると良いでしょう。

(e) 金銭面の誤魔化し:
資金証明のところで触れましたが、「残高が足りないからとりあえず友達から一時的に借りて入れて証明書出そう」といった小細工は厳禁です。入管は通帳コピーの提出などでお金の流れまで把握しています。直前に大金が動くと不自然に映りますし、何よりそうしなければ延長できない状況自体が危険です。経済状況に不安がある場合は、大学の奨学金に応募したり、支弁者に追加支援を相談するなどの根本対策をとりましょう。ビザ延長はゴールではなく、今後の留学生活継続のスタートです。無理のない計画が立てられているかを改めて点検してください。

(f) アルバイト違反:
繰り返しになりますが、資格外活動許可の範囲(週28時間、長期休暇中は1日8時間まで)を絶対に守ってください。入管は在留期間更新時に学校や市役所等を通じ、留学生の勤務状況を把握する仕組みを強化しています。「ばれないだろう」は通用しません。違反が発覚すれば更新拒否どころか在留資格取り消しもあり得ます。もし万一オーバーしてしまった過去があるなら、正直に学校や専門家に相談し、反省文の提出などで誠意を示す方法もあります。

3. 不安への対処とまとめ

初めてのビザ延長は誰でも不安です。「手続きが難しそう」「日本語での対応に自信がない」「万一ダメだったらどうしよう」──そんな気持ちになるのは当然です。でも、今回ガイドしてきたようにやるべきことを整理し、一つ一つ準備すれば必ず道は開けます。

感情面のケア:

  • 緊張したら、同じ留学生仲間で経験者に話を聞いてみましょう。「なんだ、意外と簡単だったよ」といった声を聞くと安心できます。
  • 学校の留学生支援担当はあなたの味方です。どんな初歩的な質問でも気軽に相談しましょう。プロに頼るのは恥ではありません。ユーザーファーストでサポートしてくれるはずです。
  • 最悪ビザ延長が不許可の場合でも、すぐさま強制退去ではなく再申請や他の選択肢(短期滞在への切替など)がないわけではありません。冷静に対処すれば挽回可能なケースもあります。ですから悲観しすぎず、「ダメなら次はどうするか」を事前に考えておくと過度な不安に陥らずに済みます。

本記事のまとめ: 学生ビザ(留学)の延長手続きについて、5部に分けて詳しく説明してきました。一般的なフローと必要書類、学業面・出席率の重要性、資金証明のポイント、申請書の書き方、そしてタイミングと注意点まで網羅しました。これだけ読めば準備は万全と言えるでしょう。実用性を最優先し、最新情報や公式ガイドラインも引用しながら解説しましたので、ぜひ自分の状況に合わせて活用してください。

最後にもう一度強調します。**ビザ延長手続きは恐れる必要はありません。**求められる書類を揃え、期限を守り、誠実に申請すれば、きっと許可が下りるでしょう。日本での学生生活を安全・安心に継続できるよう、本ガイドが少しでもあなたの助けになれば幸いです。焦らず一歩ずつ準備し、将来の目標に向かって学業を続けてください。応援しています!

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